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堤川の氷の谷は、綾江渓谷に属する。綾江は、錦繍山(1015m)を源として清風湖へと流れ出る6kmの渓谷である。生い茂った松林の間を流れる川は川底まで見えるほど澄んでおり、渓谷の両側には切り立った絶壁が絶景をなしている。
従って、昔の人々はここに‘綾江九曲’を指定し、その美しき風情を楽しんだ。その９つの名勝地とは“双壁潭、夢遊潭、臥龍潭、寬珠瀑、春珠瀑、錦屏堂、燕子塔、脱塘岩、吹笛台”である。現在は、水山面の綾江橋から順番に、龍珠瀑、寬珠瀑、臥雲瀑、夢遊潭、双壁潭が清風湖方面に位置し、1～3の谷は忠州ダムの水没地にあるため渇水期にその姿を現す。
雙壁潭
夢遊潭
臥龍潭
寬珠瀑
春珠瀑
錦屛堂
燕子塔
脫塘岩
翠適坮綾江橋を渡ると左側に‘真夏の神秘、錦繍山氷の谷’と記された石の標識がある。ここが、氷の谷の入口である。名高い観光スポットではあるが、素朴で飾り気がない。
道なりに進むと、他の森と同じような風景が広がる。‘氷の谷’と言われるだけに、他所と何かしらの異なる点があってもよさそうだが、四方八方どこを見ても草木が生い茂っているだけである。道の左側を渓谷が流れており、普段は水が少ないが、雨が降るとたちまち水かさが増え、川を渡れなくなるほどである。橋があるが、工事現場で使われる合板とパイプを繋いだ臨時の橋である。普段は橋が不必要と言わんばかりに、とても粗末な作りになっている。その橋を恐る恐る渡ると再び森の道へと出る。
10分ほど行くと、道の両側に相当な規模と数の石塔が並んでいる。まるでどこかの機関が公園を造成したかのようにきれいに並んでいる。これらの石塔を造ったのは、すぐ隣にある錦繍庵のクァンボン僧侶である。クァンボン僧侶は、歩行者のために寺の前に置かれていた数十個の大きな石を撤去し、それらの始末に終えない石々を積んで塔を築いた。かなりの重量がある石はミニクレーンを利用して塔を築いた。このように、何かを切に願う気持ちが数百個の精巧な石塔と化した所とだけあって、この地に来ると心身ともに頭が上がらなくなる。
寺院を過ぎると深い谷あいとなり、木々に覆われた道は徐々にうす暗くなっていく。時折、木の葉の間から陽光が差し込み、渓谷を玄妙な姿に映し出す。水と人間が自然の照明を浴び、まるで宝石のようにキラキラ輝く。登山路は、渓谷を四方八方に横切っている。
水深がある所では、靴を脱いで渡ることもある。どのくらい来たのか、集中力が切れ始めた頃に白の背景色に赤で“氷の谷”と書かれた案内板が目に入り、気力を回復させてくれる。
渓谷の上流に至ると、あちこちに住居跡が見られる。石で積まれた堤防があり、その上面は平たくなっている。畑や家を建てた痕跡である。この地で暮らした火田民たちの生活、その中でもこの氷の谷をどのように活用したのかが気になって仕方ない。
水の音が少し静まる頃、渓谷の分岐点から右側の谷沿いを10分ほど進むと、景色が開けたところに石だらけの所がある。その石に上ると足首の方から冷気を感じる。
ここが“氷の谷”である。太陽が降りそそぐ石の下で氷ができ、その空気が極めて冷たいことから‘寒陽地’と言われている。所々に氷を割るために掘られた穴があるが、ここから白い冷気が立ち上がる。谷間を登りながら熱くなった体がその冷気で一気に冷める。寒気がして鳥肌が立つほどである。氷の谷の氷は初伏頃に最も多く生じ、中伏時には岩の間で容易く見ることができる。末伏になると岩を動かしてその氷を掘り出す。ここの氷は‘万病の薬’だと言われることで有名である。
真夏に氷ができる‘氷穴’現象は、堤川以外でも慶尚北道義城郡の氷溪溪谷や青松氷谷など、各地で見られる。このような現象が見られる地域の共通点は、その一体の山麓斜面に幾重にも石が積み重なっている地帯があるという点である。
専門家によって氷穴現象に関する理論が提起されたが、その中で最も説得力のある説は‘断熱膨張説’である。断熱膨張とは、飽和状態に達した低温の空気が突然高温かつ乾燥した大気に触れる事で急激に膨張・蒸発して熱が奪われ温度が下がる現象である。これは、エアコンの冷風が温かい大気へと出る際に送風口に水滴をつける現象と同じである。氷の谷の石原は外の空気の熱を遮断する断熱機能があるだけでなく、石と石の間が空気の流動を円滑にして気温を下げて凍らせる。
冷罨マッサージを楽しんだ後は、水の音に沿ってゆっくり下山するとよい。帰りの下り道は上りとは全く異なる景色が楽しめるため、退屈さを覚えることもない。
자연치유도시 제천 문화관광
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